完璧を目指すな、1/3の余白を残せ。脳とAIの限界を突破する『1/3の法則』

「もっと効率的に働かなければ」
「AIにもっと的確な指示(プロンプト)を出さなければ」
そう思って、予定を隙間なく埋めたり、AIへの指示を“誤解ゼロ”に近づけようと細部まで作り込んだりしていませんか?
でも不思議なことに、完璧を目指して「余白」をなくせばなくすほど、仕事の質は下がり、ストレスは増えがちです。
これは根性論ではなく、構造の問題です。
- 人の脳は、ずっと同じモードで走り続けられる設計ではない
- AIも、指示を固めすぎると「作業員化」して発想の幅が狭まる
そこで私が提唱したいのが、あえて空白を作る「1/3の法則」です。
これは私の経験則に基づく仮説ですが、現場で再現しやすい形に落とすと、驚くほどパフォーマンスが戻ります。
結論:余白は「サボり」ではなく、成果のための設計である
- 脳:時間の1/3を「モード切替」に使うと、集中の立ち上がりが良くなる
- AI:指示を2/3までにして、1/3はAIに考えさせると、創発が出やすくなる
※ここで言う「1/3」は厳密な数値というより、余白ゼロをやめるための目安です。状況に合わせて調整してOKです。
1. 自分の脳に対する「1/3の法則」
〜集中を持続させるための“強制的な余白”〜
人間の集中力は無限ではありません。集中には波があり、同じモードで連続稼働が続くほど、判断の精度やアウトプットの質は落ちやすくなります。
だから必要なのは「気合」ではなく、切替の設計です。
私が実践しているルールはこれです。
「1時間集中したら、30分は“切り替える”」
(=全体の1/3を、仕事のメインストリームから外す)
「休む」=「サボる」ではない
ここで重要なのは、30分を「何もしない時間」にするのではなく、脳のモードを切り替える時間にすることです。おすすめは次の3つです。
- コミュニケーション:雑談、チャット返信、短い相談
- 単純作業:ファイル整理、移動、入力など(考えなくていい作業)
- ぼんやりする/身体:窓の外を見る、短く散歩する、呼吸を整える
そして、私が一番効果を感じている切替が「運転」です。
車を運転しているときは、仕事のことを考えないようにしています。音楽を流して、焦らずゆったりと運転し、ハンドル操作や周囲の流れに意識を戻す。移動をただの時間ロスにせず、脳のモードを切り替える時間にすると、次の作業に入るときの立ち上がりが明らかに変わります。
※安全のため、運転中のスマホ操作やメモはしません。
集中時は「論理・判断」のエリアを強く使います。ここで別モード(身体・感情・単純動作)に切り替えると、結果として次の集中が立ち上がりやすくなります。
詰め込んで働くより、余白を挟んだ方が、トータルの生産性が上がりやすい。これが私の体感としての結論です。
今日からできる:1/3の余白の作り方(3チェック)
大きく変えなくてOKです。次のどれか1つから始めてください。
- 集中ブロックの後に「切替5〜10分」を予定に入れる(まずはここから)
- 切替時間は「連絡・単純作業・身体」のどれかに固定する
- 切替時間だけは“スマホを見ない”をルール化する(通知もOFF)
休憩中にスマホを見ると、脳は「休む」どころか情報処理を続けてしまい、次の集中の立ち上がりが遅くなりがちです。切替の時間だけでもスマホを遮断すると、戻りやすくなります。
2. AIに対する「1/3の法則」
〜AIの創造性を引き出すための“意図的な余白”〜
この法則は、人間だけでなく、ChatGPTやGeminiなどの生成AIとの付き合い方にも応用できます。
AIに対して「誤解されないように」と、ガチガチに細かい指示を出していませんか?
それは一見丁寧ですが、場合によってはAIを「指示通りに動く作業員」にしてしまい、発想の広がり(創発)を潰すことがあります。
そこで、AI版の1/3です。
「指示は2/3まで。残り1/3は、あえてAIに任せる」
ただし、これは“雑に投げる”という意味ではありません。
むしろ、任せるために、最初に固めるのがコツです。
AIに渡すべき「2/3」(ここは固める)
次の3点だけは、明確に渡します。
- 目的(ゴール):何を達成したいか
- 制約(前提・禁止・対象・トーン):何を守るべきか
- 評価基準(合格条件):何を満たせば良いか
そして最後に、こう言って「1/3の余白」を残します。
- 「最適なアプローチは任せます」
- 「抜けている視点があれば自由に補ってください」
- 「必要なら先に質問してください」
この余白があるからこそ、AIは広い知識やパターンから、自分では思いつかない切り口を提案しやすくなります。
すべてを指示するのは「作業員のAI」。余白を残すのは「パートナーのAI」。
まずはこの使い分けから始めてみてください。
コピペで使える:1/3余白プロンプト(例)
(例)文章・企画の改善
- 目的:読み手が「保存・シェアしたくなる」内容にする
- 制約:結論→理由→次の一手/煽りすぎない/冗長さ削除
- 評価:具体例がある/明日からできる手順がある
- 余白:最適な構成は任せます。抜けている視点があれば補って提案してください。
おわりに:余白は「可能性」である
「完璧を目指すな、1/3の余白を残せ」
これが、私がたどり着いた結論です。
- スケジュールが埋まりすぎているなら、まずは「切替の5分」を1つ入れてみる
- AIへの指示が細かすぎるなら、目的・制約・評価だけ固めて、Howは任せてみる
- 休憩中にスマホを見てしまうなら、切替時間だけ“スマホ禁止”にしてみる
その空いた1/3にこそ、脳の回復や、AIの予期せぬクリエイティビティといった、新しい価値が流れ込んできます。
もし日々の仕事に閉塞感を感じているなら、勇気を持って「1/3の余白」を作ってみてください。きっと変化が起きます。
(追伸)この「1/3」は、皆さんの知見で育てたい
正直に言うと、この「1/3の法則」は私がゼロから発明したものではありません。これまで触れてきた様々な考え方が、経験の中で混ざり合い、結晶化したものだと思っています。
もしこの記事を読んで「この理論に近い」「自分はこの比率でやっている」などがあれば、ぜひコメントや引用で教えてください。
この仮説を、皆さんの知見でもっと精度の高い“定説”に育てていけたら嬉しいです。
作成者:いろはTEC 山下英之|中小企業のDX推進・AI活用を支援。補助金・助成金を活用したコストを抑えた導入提案を得意とする。


