SaaSは衰退フェーズに入った——2026年、主役は「AIエージェント」へ移る

2026年2月、Anthropicが公開した「ClaudeCowork」と業務特化プラグイン群は、ソフトウェア市場の重心を“アプリ”から“エージェント”へ押し動かす転換点になりました。
Coworkは、PC上のファイル操作、文書生成、レビュー作業などを横断的に実行できる「エージェント型AI」です。従来SaaSが提供してきた“ツールの器”ではなく、“業務の実行そのもの”に踏み込む設計が特徴です。
この発表を機に、投資家の論点ははっきりしました。
市場が注視しているのは「新機能の優劣」ではなく、SaaSの前提であった席課金(シート課金)モデルの耐久性です。
それは、「ソフトを使う時代」から「AIが仕事をする時代」へ——移行が“議論”ではなく“現実”になり始めた、という空気の表れです。
この変化は日本国内も例外ではありません。SaaS関連銘柄の値動きは荒くなり、AIエージェントによる業務代替のインパクトが、いよいよ“絵空事”ではなくなってきました。
■SaaSが主役から降りつつある理由(2026年の見立て)
- AIが「企業固有の業務フロー」を生成・実行し始めた
従来のSaaSは、標準化された手順(ベストプラクティス)に人間が合わせるモデルでした。
一方、エージェントは「企業固有のやり方」に合わせて、手順そのものを組み立てて動く。この柔軟性が決定的な差になります。 - 席課金(ユーザーID課金)が成立しにくくなる
AIエージェントが複数人分の作業を肩代わりすれば、必要な“席(アカウント数)”は必然的に減ります。
「ユーザー数=売上」というSaaSの収益基盤は、機能やUIの魅力以前に、経済合理性で揺らぐ局面に入っています。 - アプリ間連携の価値がAIに吸収される
「Aで作って、Bに貼って、Cで整える」という人間の橋渡しは、AIにとっては単なる段取りです。
エージェントはそれを“1つの指示”で横断実行します。今後の競争軸は「どのSaaSを使うか」ではなく、「AIがどれだけ自社の事情(文脈・ルール・例外)を理解して動けるか」に移ります。
■企業は何をすべきか?
答えは驚くほどシンプルです。
→AIに自社のコンテキスト(文脈)を与え、AIが“自社のやり方で仕事ができる状態”をつくること。
Cowork、ChatGPTTeam、GeminiAgent、そしてMCP(ModelContextProtocol)
2026年現在、AIが社内情報に触れるための技術的ハードルは大きく下がりました。
ここで勘違いしてはいけないのは、「AIを導入すれば終わり」ではないという点です。
重要なのは、たった一点。
「AIが働ける土台(データ・権限・運用ルール)を、どれだけ早く用意できるか」
これに尽きます。
■2026年は、“AIが働く組織”への転換が本格化する年
SaaSの衰退は、悲観すべきことではありません。
むしろ、企業が「AI前提」で再構築される大きなチャンスです。
これからの競争力は、SaaSの導入数ではなく、「AIがどれほど自社の文脈を理解し、自律的に動けるか」で決まります。
市場の荒い反応は、私たちが向き合うべき評価軸が確実に変わり始めたという合図です。
最後に。
あなたの会社に眠る情報や経験は、少しずつでも「AIが扱える形」に近づいているでしょうか。
情報を集め、整理すること自体は、もう以前ほど難しくありません。
だからこそ、「どこから、どう始めるか」という最初の一手が勝負を分けます。
もしこの記事を読んで「ちょっと気になる」という直感が残ったなら、それは自然な反応です。
次の一手を、私たちと一緒に設計してみませんか?
▼いろはTEC
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作成者:いろはTEC 山下英之|中小企業のDX推進・AI活用を支援。補助金・助成金を活用したコストを抑えた導入提案を得意とする。


